学研全訳古語辞典 |
やなぎちり…
分類俳句
「柳ちり清水かれ石ところどころ」
出典反古衾 俳諧・蕪村(ぶそん)
[訳] 遊行柳(ゆぎようやなぎ)を訪れてみると、その葉はすでに散り、西行(さいぎよう)が「清水流るる」と詠んだ清水もかれはてて、川床にはところどころ石が姿を現している。
鑑賞
柳は、西行が「道の辺(べ)に清水流るる柳陰しばしとてこそ立ちどまりつれ」(『新古今和歌集』)〈⇒みちのべに…。〉と詠んだ柳であり、「田一枚植ゑて立ち去る柳かな」(『奥の細道』)〈⇒たいちまい…。〉と芭蕉(ばしよう)も訪れた柳である。「柳」そのものは春の季語であるが、この句の季語は「柳ちる」で、季は秋。なお、「ところどころ」を「ところどこ」と読む説もある。『蕪村句集』では、「柳散清水涸石処々」と漢字ばかりの句に改められている。
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