学研全訳古語辞典 |
よう 【用】
①
用事。用件。所用。
出典徒然草 一七〇
「ようありて行きたりとも、その事果てなば、とく帰るべし」
[訳] 用事があって人の家に行ったとしても、その用事が終わったら、すぐに帰るのがよい。
②
必要。入用。費用。
出典徒然草 五五
「造作(ざうさく)は、ようなき所をつくりたる、見るもおもしろく」
[訳] 建物は必要のない所を造っておくのが、見ても情趣があり。
③
効用。用途。役立つこと。
出典許六離別詞 俳文・芭蕉
「その学ぶ事二つにして、ようをなす事を一(いつ)なり」
[訳] それを学ぶ事は二つだが、効用は一つである。
④
事物の作用。はたらき。「ゆう」とも。▽「体(たい)(=本体)」に対していう。
よう 【良う・善う・能う】
①
十分に。念入りに。よく。
出典伊勢物語 二三
「この女、いとよう化粧(けさう)じて」
[訳] この女は、たいそう念入りに化粧して。
②
〔下に打消の語を伴って〕とても(…ことができない)。◆「よ(良)く」のウ音便。
よう 【酔う】
⇒ゑふ
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