学研全訳古語辞典 |
ゐん 【院】
①
周囲に垣をめぐらした、大きな構えの建物。宮殿・役所・寺院・貴族の邸宅など。
出典源氏物語 夕顔
「このゐんの預りの子、睦(むつ)ましく使ひたまふ若き男(をのこ)」
[訳] この寺院の留守番の子で、親しくお使いになっている若い下男。
②
上皇・法皇・女院(によういん)の御所。
出典徒然草 五〇
「今日はゐんへ参るべし」
[訳] 今日は上皇の御所に参上するだろう。
③
上皇・法皇・女院の尊敬語。
出典源氏物語 葵
「かくゐんにも聞こしめしのたまはするに」
[訳] このように(桐壺(きりつぼ))院までお聞きあそばしおっしゃるにつけて。
ゐん 【韻】
漢字の字音のうち、頭子音(=初めの子音)を除いた残りの音。
参考
頭子音を除いた残りの音とは、たとえば「山(san)」ならば、sを除いたanをいう。漢詩では、一定の句の末尾に同じ韻をもつ字を置くのがきまりで、句末の韻(=脚韻(きやくいん))をそろえることを「押韻(おういん)」あるいは「韻を踏む」という。
ゐんのページへのリンク |