学研全訳古語辞典 |
ヲコト点
分類文芸
「乎己止点」とも書く。漢文を訓読するために漢字に付けた、点・線・かぎ形などの符号。現在の返り点・送り仮名に当たるものや、助詞・助動詞、音読・訓読の別などを示した。漢字の四隅や中央に朱や青で書き入れ、たとえば、漢字の右上に点があれば「…ヲ」と読む。平安時代初期から鎌倉時代にかけて、僧の間で経典を読むために盛んに行われた。いろいろな形式があるが、その一つの博士家点(はかせけてん)では、右肩の上・中の点が「ヲ」「コト」を表したのでこの名称がある。「テニヲハ点」「テニハ点」とも、単に「点」ともいう。
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