学研全訳古語辞典 |
のぼ・す 【上す】
活用{せ/せ/す/する/すれ/せよ}
①
川をさかのぼらせる。
出典万葉集 五〇
「百足(ももた)らず(=枕詞(まくらことば))筏(いかだ)に作りのぼすらむ」
[訳] 筏に作って川をさかのぼらせているであろう。
②
のぼらせる。
出典徒然草 一〇九
「人を掟(おき)てて、高き木にのぼせて梢(こずゑ)を切らせしに」
[訳] 人を指図して、高い木にのぼらせて梢を切らせたときに。◇「登す」とも書く。
③
参上させる。召し寄せる。
出典枕草子 職の御曹司の西面の
「下(しも)なるをも呼びのぼせ」
[訳] 局(つぼね)に下がっているのまでも呼んで参上させ。
④
都へ上らせる。
出典増鏡 新島守
「雲霞(うんか)の兵(つはもの)をたなびかせて、都にのぼす」
[訳] 大軍を長々と従わせて、都に上らせる。
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
[一]
②
に同じ。
出典世間胸算用 浮世・西鶴
「紙烏(いか)をのぼし」
[訳] 凧(たこ)をあげ。②おだてる。
出典西鶴置土産 浮世・西鶴
「むしゃうにのぼされ」
[訳] むやみにおだてられ。
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