学研全訳古語辞典 |
ふ-かく・なり 【不覚なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
あさはかだ。愚かだ。思慮分別がないさま。
出典今昔物語集 二八・三
「和歌は読みけれども、心のふかくにて」
[訳] 和歌は(上手に)よんだけれども、心があさはかであって。
②
無意識だ。思わずするようすだ。
出典今昔物語集 四・八
「ふかくに涙落ちて」
[訳] 無意識に涙が落ちて。
③
意識不明だ。人事不省だ。
出典大鏡 道兼
「ことのほかにふかくになり給(たま)ひにけり」
[訳] 思いのほか意識不明におなりになってしまった。
④
ひきょうだ。おくびょうだ。
出典摂待 謡曲
「『剛(かう)なり』とも申し、また『ふかくなり』とも申す」
[訳] (継信(つぐのぶ)の最期のようすは)「力強い」とも申し、また「おくびょうだ」とも申します。
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