学研全訳古語辞典 |
そ-の 【其の】
分類連語
①
その。前述の。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「御衣(みぞ)を取り出(い)でて着せむとす。その時に、かぐや姫、『しばし待て』と言ふ」
[訳] (天人が)天の羽衣を取り出して着せようとする。そのときに、かぐや姫が「しばらく待て」と言う。
②
ある。何々の。▽ある特定の人や物をぼかしていう。
出典伊勢物語 九
「京に、その人の御もとにとて、文書きてつく」
[訳] 都へ、ある人のいらっしゃる所にと思って、手紙を書いて託す。
参考
現代語では「その」は一語の連体詞とするが、古語では「そ」は単独でも用いられるので二語の連語とする。⇒そ【其】
なりたち
代名詞「そ」+格助詞「の」
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