学研全訳古語辞典 |
ぐ-そく 【具足】
十分に備わっていること。
出典枕草子 関白殿、二月二十一日に
「威儀ぐそくして」
[訳] 立ち居ふるまいの作法が十分に備わって。
①
持つこと。備えること。
出典今昔物語集 一・一
「千の子をぐそくせむとす」
[訳] 千人の子を持つようになろう。
②
伴うこと。引き連れること。
出典平家物語 七・維盛都落
「ぐそくし奉り、行方も知らぬ旅の空にて憂き目を見せ奉らんも」
[訳] (あなたを)お連れ申し上げ、行く先もわからない旅先でつらい目をお見せ申し上げるのも。
①
道具。調度。所持品。
出典宇治拾遺 二・一二
「子孫どもに家のぐそくども負ほせ持たせて」
[訳] 子や孫たちに家の道具・調度類を背負わせ持たせて。
②
武具。甲冑(かつちゆう)。
③
従者。
出典今昔物語集 五・二〇
「会ふ狐(きつね)どもを皆ぐそくになして」
[訳] (途中で)会うきつねたちを皆従者にして。
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