学研全訳古語辞典 |
とり-た・つ 【取り立つ】
活用{て/て/つ/つる/つれ/てよ}
①
(物を)取り上げる。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「弓矢とりたてむとすれども」
[訳] 弓矢を取り上げようとするが。
②
調える。用意する。ある状態にする。
出典宇津保物語 蔵開下
「銀(しろがね)・黄金(こがね)の馬、さまざま色々にとりたてて」
[訳] 銀・金の馬、そのほかいろいろな物を調えて。
③
特別に取り上げる。
出典源氏物語 桐壺
「とりたててはかばかしき後ろ見しなければ」
[訳] 特別に取り上げて(いうほど)しっかりした後ろだてがないので。
④
ひいきにして、引き立てる。
出典麻生 狂言
「くゎっととりたてて取らせうぞ」
[訳] ぐっとひいきにしてやろう。
⑤
建てる。築く。構える。
出典徒然草 二五
「金堂(こんだう)はその後(のち)…、とりたつるわざもなし」
[訳] 金堂はその後…、(再び)建てるうごきもない。◇「とり」は接頭語。
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