学研全訳古語辞典 |
あり-つ・く 【在り付く・有り付く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
住みつく。落ち着く。
出典宇治拾遺 三・一五
「わざとありつきたる男となくて」
[訳] 特に(結婚して)住みついた男もなくて。
②
(すっかり)慣れる。
出典源氏物語 蓬生
「さるかたにありつきたりしあなたの年ごろは」
[訳] それ相応(=貧しさ)にすっかり慣れていた過去の何年かは。
③
(ある身分・環境のもとに)生まれつく。
出典源氏物語 蓬生
「もとよりありつきたる、さやうの並々の人は」
[訳] もともとそういう身分に生まれついている、それらの並の階級の人は。
④
似合う。
出典源氏物語 手習
「古体の心どもにありつかず今めきつつ」
[訳] 古風な心持ちには似合わず現代風であって。
⑤
生活する。
出典今昔物語集 二七・二四
「年ごろ身貧しくして、世にありつく方(かた)もなかりける程に」
[訳] 数年来貧しくて、世の中で生活していく方法もなかったころに。
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