学研全訳古語辞典 |
あまくも-の 【天雲の】
分類枕詞
①
雲が定めなく漂うところから、「たどきも知らず」「たゆたふ」などにかかる。
出典万葉集 三七一六
「あまくものたゆたひ来れば」
[訳] 天雲のようにただよいながらくると。
②
雲の奥がどこともわからない遠くであるところから、「奥処(おくか)も知らず」「はるか」などにかかる。
出典土佐日記 二・一六
「あまくものはるかなりつる」
[訳] 天雲のようにはるかに遠い。
③
雲が離れ離れにちぎれるところから、「別れ(行く)」「外(よそ)」などにかかる。
出典万葉集 一八〇四
「あまくもの別れし行けば」
[訳] 別れていったので。
④
雲が遠くに飛んで行くところから、「行く」にかかる。
出典万葉集 三三四四
「あまくもの行きのまにまに」
[訳] 行くに従って。◆「あまぐもの」とも。
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