学研全訳古語辞典 |
ごとし 【如し】
《接続》活用語の連体形や、助詞「の」「が」、体言などに付く。
①
〔同等〕…と同じである。…のとおりだ。
出典伊勢物語 二三
「つひに本意(ほい)のごとく逢(あ)ひにけり」
[訳] とうとう、かねての望みのとおりに結婚したのだった。
②
〔比況〕(まるで)…のようだ。…みたいだ。…に似ている。
出典方丈記
「世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」
[訳] 世の中にいる人間と住居と(が無常なこと)は、また、これと似ている。
③
〔例示〕たとえば…のようだ。たとえば…などだ。▽連体形に限って見られる。
出典方丈記
「和歌・管弦・往生要集(わうじやうえうしふ)ごときの抄物(せうもつ)を入れたり」
[訳] 和歌・管弦の本や『往生要集』のような抜き書きを入れてある。
語法
(1)上代・中古の「ごと」だけの用法 上代・中古には、「ごと」だけで、「ごとく(連用形)」「ごとし(終止形)」のはたらきをした。⇒ごと(2)未然形の「ごとく」 「ごとく+は」については、次の二とおりの説がある。[イ] の立場に立った場合にだけ、未然形が存在することになる。
参考
「ごとし」は漢文訓読系の文章で用いられ、和文系の文章では、同じ意味を「やうなり」で表した。
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