学研全訳古語辞典 |
かたち 【形・容・貌】
①
(物の)形。外形。形態。
出典枕草子 草の花は
「夕顔は花のかたちも朝顔に似て」
[訳] 夕顔は、花の形も朝顔に似ていて。
②
容貌(ようぼう)。顔立ち。顔つき。
出典竹取物語 かぐや姫の生ひ立ち
「この児(ちご)のかたちけうらなること世になく」
[訳] この子(=かぐや姫)の容貌の清らかで美しいことといったら世にまたとなく。
③
美しい容姿(の人)。美人。
出典栄花物語 殿上の花見
「かたちを好ませ給(たま)ひて、今もよき若き人ども参り集まりて」
[訳] (女院は)美人をお好みになって、今も美しい若い人たちが(御殿に)参上し集まって。
④
(人の)姿。ようす。
出典源氏物語 手習
「まことの人のかたちなり」
[訳] (この女は魔物ではなく)正真正銘の人間の姿である。
かん-ばせ 【顔・容】
顔つき。容貌(ようぼう)。顔。
出典奥の細道 松島
「その気色(けしき)、窅然(えうぜん)として美人のかんばせを粧(よそほ)ふ」
[訳] その(松島の)景色は奥深く美しくて、美人が顔を化粧したようである。◆「かほばせ」の撥(はつ)音便。
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