学研全訳古語辞典 |
対句
分類文芸
修辞法の一つ。表現形式が同じあるいは類似し意味も対応している二つ以上の語句・文を並べ、均整美を出す表現技法。また、その語句・文。本来は漢詩文の技法で、和漢混交文に多い。たとえば、『方丈記』の冒頭の「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀(よど)みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし」〈流れゆく川のその流れは、いつも絶えることなく、それでいてなお、もとの水と同じ水が流れているのではない。流れのよどんでいるところに浮かんでいる水の泡は、一方では消え、一方ではできて、長い間同じ状態でいるということはない。〉では、第一文「ゆく河の…あらず」と第二文「淀みに…例なし」とが対句。
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