学研全訳古語辞典 |
こころ-あやまり 【心誤り】
①
心得違い。思い違い。
出典伊勢物語 一〇三
「こころあやまりやしたりけむ。親王(みこ)たちのつかひ給(たま)ひける人をあひいへりけり」
[訳] 心得違いをしたのだろうか。親王方がお召しになっている人と、恋を語り合ってしまった。
②
気分がすぐれないこと。
出典源氏物語 総角
「『こころあやまりして煩はしく覚ゆれば』と、」
[訳] 「気分がすぐれない状態でめんどうくさく感じられるので」と、(対面なさらない)。
③
心が正常でなくなること。乱心。
出典源氏物語 真木柱
「いと静かに心よく、子めき給(たま)へる人の、時々こころあやまりして」
[訳] たいそう静かで気立てがよく、子供みたいにおっとりとなされた人なのに、時々心が正常でなくなることがあって。
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