学研全訳古語辞典 |
いそが・し 【忙し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
多忙である。忙しい。
②
気ぜわしい。落ちつかない。
出典源氏物語 宿木
「例の心の癖なれば、いそがしくしもおぼえず」
[訳] いつもの(気の長い)性分なので、気ぜわしく(お受けしよう)という気にもならない。
せは・し 【忙し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
いそがしい。あわただしい。
出典堀河百首 雑
「山里の筧(かけひ)の水のせはしきに」
[訳] 山里の筧の水の(流れの)あわただしいのに。
②
(経済的に)苦しい。差し迫っている。
出典世間胸算用 浮世・西鶴
「よくよくせはしければこそ」
[訳] よくよく(やりくりに)差し迫っているので。
③
気ぜわしい。性急である。
出典好色一代男 浮世・西鶴
「せはしく申せし呉服屋の左兵衛(さへゑ)に」
[訳] 気ぜわしく申した呉服屋の左兵衛に。
せわし 【忙し】
⇒せはし
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