学研全訳古語辞典 |
さわが・し 【騒がし】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
騒がしい。騒々しい。
出典枕草子 九月つごもり、十月のころ
「空うち曇りて、風のいとさわがしく吹きて」
[訳] 空が曇ってきて、風がたいそう騒々しく吹いて。
②
忙しい。あわただしい。落ち着かない。
出典大和物語 一三六
「日ごろさわがしくてなむ、え参らぬ」
[訳] 数日来忙しくて、うかがうことができません。
③
世の中が穏やかでない。騒然としている。
出典枕草子 殿などのおはしまさで後
「世の中に事出(い)で来(き)、さわがしうなりて」
[訳] 世間に事件が起こり、騒然としてきて。◇「さわがしう」はウ音便。
注意
②の意味は現代語「さわがしい」にはない。
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