学研全訳古語辞典 |
かたじけ-な・し 【忝し・辱し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
恐れ多い。もったいない。
出典竹取物語 貴公子たちの求婚
「かたじけなく、きたなげなる所に、年月をへて物し給(たま)ふこと」
[訳] 恐れ多くも、(こんな)見苦しい所に、長い間お通いくださいますことは。
②
面目ない。恥ずかしい。
出典源氏物語 明石
「かたじけなく屈(く)しにける心の程思ひ知らる」
[訳] 面目なくくじけてしまった心のありさまを思い知らされる。
③
ありがたい。もったいない。▽身に余る恩恵を受けて感謝するようす。
出典源氏物語 桐壺
「かたじけなき御心ばへのたぐひなきをたのみにて交じらひ給(たま)ふ」
[訳] もったいない(桐壺(きりつぼ)帝の)ご愛情が比べるものがないほど強いのを頼りにして、(更衣は)宮仕えをしなさる。
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