学研全訳古語辞典 |
あい-・す 【愛す】
活用{せ/し/す/する/すれ/せよ}
①
かわいがる。愛情をそそぐ。
出典堤中納言 虫めづる姫君
「この虫どもを朝(あした)夕べにあいし給(たま)ふ」
[訳] この虫たちを朝夕かわいがりなさる。
②
気に入る。好む。
出典今昔物語集 一九・九
「あいして手の裏に据ゑて差し上げ差し下ろし」
[訳] 気に入って手のひらにのせて上げたり下げたりし。
③
気にかける。執着する。
出典方丈記
「今、草庵(さうあん)をあいするも、咎(とが)とす」
[訳] 今、(自分の住む)草ぶきの粗末な庵を気にかけ執着するのも、(仏道では)罪となることである。
④
あやす。適当にあしらう。
出典平家物語 九・二度之懸
「よしよし、しばしあいせよ」
[訳] まあよい、しばらく適当にあしらえ。
愛すのページへのリンク |