学研全訳古語辞典 |
たわ・なり 【撓なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
たわむほどだ。しなうほどだ。
出典賀茂翁家集 二
「信濃(しなの)なる須賀(すが)の荒野(あらの)を飛ぶ鷲(わし)の翼もたわに吹く嵐(あらし)かな」
[訳] 信濃の国(長野県)の須賀の荒野を飛ぶ鷲の翼もたわむほどに、激しく吹く嵐だなあ。
たわ-わ・なり 【撓なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
たわみしなうほどだ。
出典徒然草 一一
「大きなる柑子(かうじ)の木の、枝もたわわになりたるが周(まは)りを」
[訳] 大きなこうじみかんの木で、枝もたわみしなうほどに実がなっている木のまわりを。
とおおなり 【撓なり】
⇒とををなり
とをを・なり 【撓なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
たわみしなっている。
出典万葉集 一五九五
「秋萩(あきはぎ)の枝もとををに置く露の」
[訳] 秋萩の枝もたわみしなうくらいに置く露が。
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