学研全訳古語辞典 |
ほと-ほと(に) 【殆と(に)・幾と(に)】
①
もう少しで。すんでのところで。危うく。
出典万葉集 三七七二
「帰りける人来(き)たれりと言ひしかばほとほと死にき君かと思ひて」
[訳] (流罪を許されて)帰った人が来ていると人が言ったので、(うれしさで)もう少しで死ぬところだった。あなたかと思って。
②
おおかた。だいたい。
出典万葉集 三三一
「ほとほとに奈良の都を見ずかなりなむ」
[訳] (私の人生は)おおかた奈良の都を見ないで終わることであろうか。◆「ほとど」とも。
語の歴史
平安時代末期には、「ほとほど」または「ほとをと」と発音されていたらしい。のちに「ほとんど」となり、現在に至る。
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