学研全訳古語辞典 |
すずろ-は・し 【漫ろはし】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
(楽しくて)じっとしていられない。浮き浮きしている。
出典源氏物語 若菜下
「聞く人ただならず、すずろはしきまで愛敬(あいぎやう)づきて」
[訳] (紫の上の箏(そう)の音は)聞く人が心が並でいられず、浮き浮きするほどおもしろさがあって。
②
(不快・不安で)心が落ち着かない。いやな気分である。
出典源氏物語 若菜下
「なまもの憂く、すずろはしけれど」
[訳] 何となく気が進まず、心が落ち着かないが。◆「すぞろはし」「そぞろはし」とも。
参考
そわそわと落ち着かない心の状態をいうが、楽しい場合にも、不安な場合にも用いる。
そぞろ-は・し 【漫ろはし】
「すずろはし」に同じ。
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