学研全訳古語辞典 |
さる 【然る】
①
そのような。そういう。そんな。
出典伊勢物語 九
「みな人ものわびしくて、京に思ふ人なきにしもあらず。さる折しも」
[訳] そこにいる人は皆、なんとなくせつなくて、都に愛する人が必ずしもいないわけではない。(それを思い出す)そのような折に。
②
しかるべき。相当な。立派な。
出典徒然草 二三一
「別当(べつたう)入道、さる人にて」
[訳] 別当入道は、相当な(気の利く)人物であって。
③
ある。某。しかじかの。▽対象を漠然と示す。
出典隅田川 謡曲
「この在所にさる子細(しさい)候ひて」
[訳] この土地にある事情がございまして。◆ラ変動詞「さり」の連体形から変化した語。
然るのページへのリンク |