学研全訳古語辞典 |
さる-に 【然るに】
すると。そうこうしているうちに。
出典伊勢物語 八四
「さるに、十二月(しはす)ばかりに、とみの事とて御文(ふみ)あり」
[訳] そうこうしているうちに、陰暦十二月ごろに、至急の事といって(母から)お手紙が届く。◆ラ変動詞「さり」の連体形に接続助詞「に」が付いて一語化したもの。
しかる-に 【然るに】
①
そうであるのに。ところが。
出典竹取物語 蓬莱の玉の枝
「力を尽くしたること少なからず。しかるに禄(ろく)いまだ賜らず」
[訳] 力を尽くしたことは少しではない。ところがほうびはまだいただいていない。
②
さて。ところで。
出典生田敦盛 謡曲
「しかるに、平家の栄華を極めしその初め」
[訳] さて、平家が栄華を極めたそのはじめのころ。◆ラ変動詞「しかり」の連体形に接続助詞「に」が付いて一語化したもの。
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