学研全訳古語辞典 |
し-ぜん 【自然】
①
人為によらず存在する事象。
②
本来の性質。本性。
じ-ねん 【自然】
本来そうであること。ひとりでにそうなること。
出典三冊子 俳論
「千変万化する物はじねんの理なり」
[訳] 種々さまざまに変化する物は、本来そうなるべき道理である。
し-ぜん(に) 【自然(に)】
①
おのずから。
出典枕草子 世の中になほいと心憂きものは
「しぜんに、宮仕へ所にも親・はらからの中にても、思はるる・思はれぬがあるぞ、いとわびしきや」
[訳] おのずから、宮仕えする所でも、親・兄弟姉妹の中でも、愛される・愛されないがあるのは、とてもつらいことよ。
②
もしも。万一。
出典平家物語 四・競
「しぜんのこと候はば、真っ先駆けて命を奉らん」
[訳] 万一のことがございましたら、真っ先に駆けつけて命を差し上げよう。
注意
現代語に②の意味はない。中世では「しぜん」は②の意味に用いられることが多い。
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