学研全訳古語辞典 |
くさ・し 【臭し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
くさい。
出典落窪物語 一
「屎(くそ)つきにたり。いとくさくて行きたらば、なかなかうとまれなむ」
[訳] (体に)糞(くそ)がついてしまった。たいそうくさいまま行ったならば、かえって(姫君に)嫌がられてしまうだろう。
②
あやしい。うさんくさい。
出典ふたつ腹帯 浄瑠
「ははあ大かた是(これ)くさい物」
[訳] ははあたぶんこれはあやしいものだ。
-くさ・し 【臭し】
①
似ている。感じがする。…ぶっている。
出典好色一代男 浮世・西鶴
「鴨(かも)の長明が孔子(こうし)くさき身のとり置きも」
[訳] 鴨長明の孔子ぶっている身の持ち方も。
②
…のにおいがする。…くさい。
出典源氏物語 橋姫
「ささやかにおし巻き合はせたる反故(ほぐ)どもの、黴(かび)くさきを」
[訳] 小さく巻きあわせた数々の不要になった紙で、かびくさいのを。
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