学研全訳古語辞典 |
くも-で 【蜘蛛手】
①
(川の流れや道などが)幾筋にも分かれていること。
出典伊勢物語 九
「水ゆく河のくもでなれば」
[訳] 水の流れる河が幾筋にも分かれているので。
②
(木材を)四方八方に打ちつけたり、縄で結わえつけたりすること。
③
(戦場で)四方八方に駆けめぐること。また、縦横無尽に刀などを振り回すこと。
出典平家物語 九・二度之懸
「縦さま・横さま、くもで・十文字に駆け割り駆け回り」
[訳] 縦方向・横方向、四方八方に駆けまた十の字(を書くよう)に馬を走らせ敵を破り回り。
④
あれこれと思いめぐらすこと。▽「くもでに」の形で副詞的に用いる。
出典大和物語 付載説話
「くもでに思ひ乱るるほどに」
[訳] あれこれと思いめぐらして心が乱れるうちに。◆くもが足を広げた形から。
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