学研全訳古語辞典 |
いひ-け・つ 【言ひ消つ】
活用{(た/ち/つ/つ/て/て)}
①
打ち消す。否定する。
出典源氏物語 松風
「わざとはなくていひけつさま、みやびかによしと聞き給(たま)ふ」
[訳] ことさらにというのではなくて(自分の育ちの良さを)否定する(尼君の)ようすを、(源氏は)上品で優雅だとお聞きになる。
②
言いかけて途中でやめる。言いさす。
出典源氏物語 椎本
「『はつるる糸は』と末(すゑ)はいひけちて」
[訳] 「ほつれた糸は」とその下(しも)の句は言いかけてやめて。
③
非難する。
出典徒然草 一六七
「をこにも見え、人にもいひけたれ、禍(わざはひ)をも招くは、ただこの慢心なり」
[訳] 愚かにも見え、人にも非難され、災難をも招いたりするのはただもう、このおごりたかぶる心である。
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