学研全訳古語辞典 |
つ・む 【詰む】
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
勤務場所に控えている。詰める。
出典冥途飛脚 浄瑠・近松
「これのは今朝から庄屋(しやうや)殿へつめられ」
[訳] うちの人は今朝から庄屋殿のところへ詰めておられ。
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
ぎっしりと入れる。いっぱいにする。
出典茶壺 狂言
「まんまと茶をつめて下りまする所に」
[訳] 首尾よく茶をぎっしりと入れて下ります所に。
②
すき間に物を入れて動けなくする。
出典落窪物語 二
「打ちたたき、押し引けど、内外(うちと)につめてければ、ゆるぎだにせず」
[訳] たたいたり、押したり引いたりしても、内にも外にもすき間に物を入れ動けなくしてあるので、ゆらぐことさえない。
③
(相手を)行き詰まらせる。追い詰める。
出典徒然草 二四三
「問ひつめられて、え答へずなり侍(はべ)りつ」
[訳] 問い詰められて、答えられなくなってしまいました。
④
短くする。縮める。
出典風姿花伝 二
「腰膝(ひざ)を屈(かが)め、身をつむれば」
[訳] 腰や膝をかがめ、からだを縮めると。
⑤
(家計を)切り詰める。倹約する。
出典阿波鳴渡 浄瑠・近松
「わしが身をつめ、三度つける油も一度つけ」
[訳] 私が身代を切り詰め、三度つける油も一度だけつけ。
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