学研全訳古語辞典 |
はる-け・し 【遥けし】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
(空間的に)はるかだ。遠い。
出典源氏物語 賢木
「はるけき野辺を分け入(い)り給(たま)ふよりいとものあはれなり」
[訳] (嵯峨野(さがの)の)はるか遠い野のあたりを(源氏が草を)分けてお入りになるやいなや、とてももの寂しい。
②
(時間的に)遠い。久しい。ずっと先だ。
出典古今集 物名
「人目ゆゑ後に会ふ日のはるけくは」
[訳] 人目がはばかられるので、この次に会う日がずっと先になったら。
③
(心理的に)隔たっている。
出典古今集 恋五
「思はぬ仲ぞはるけかりける」
[訳] 互いに思っていない男女の仲は心が隔たっているものだったなあ。
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