古語:

徒なりの意味

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あだ・なり 【徒なり】

形容動詞ナリ活用

活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}


はかない。もろい。


出典徒然草 一三七


「会はでやみにし憂(う)さを思ひ、あだなる契りをかこち」


[訳] 会わないで終わってしまったつらさを思い、はかない約束を恨み嘆き。


誠実でない。浮気だ。


出典紫式部日記 消息文


「そのあだになりぬる人の果て、いかでかはよく侍(はべ)らむ」


[訳] そういう不誠実な性質になってしまった人(=清少納言)の末路が、どうしてよいでありましょうか、よいはずがありません。[反対語] 忠実(まめ)なり。


疎略だ。


出典源氏物語 葵


「確かに御枕上(まくらがみ)に参らすべき祝ひの物にて侍(はべ)る。あなかしこ、あだにな」


[訳] 確かに枕もとに差し上げなければならない祝いのものです。決して疎略に扱ってはいけません。


無駄だ。無用だ。


出典堤中納言 虫めづる姫君


「蝶(てふ)になりぬれば、いともそでにて、あだになりぬるをや」


[訳] (絹をとる蚕(かいこ)が)蝶になってしまうと、(人は)まったくおろそかにして無用になってしまうのよね。



ただ・なり 【直なり・徒なり】

形容動詞ナリ活用

活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}


直接だ。じかだ。まっすぐだ。


出典万葉集 四九六


「み熊野(くまの)の浦の浜木綿(はまゆふ)百重(ももへ)なす心は思(も)へどただに逢(あ)はぬかも」


[訳] ⇒みくまのの…。


生地のままだ。ありのままだ。


出典源氏物語 宿木


「ただなる絹綾(きぬあや)など取り具し給(たま)ふ」


[訳] (染めていない)生地のままの模様のある絹織物をおそろえになられる。


普通だ。あたりまえだ。


出典枕草子 うらやましげなるもの


「ただなるところには目にもとまるまじきに」


[訳] (女の言葉は)普通の所では目にもとまるまいに。


何もせずにそのままである。何事もない。


出典源氏物語 藤裏葉


「ただに見過ぐさむこと惜しき盛りなるに」


[訳] 何もせずにそのまま見過ごしてしまうには惜しい花盛りなので。


むなしい。何の効果もない。


出典大鏡 道長上


「ただにて帰り参りて侍(はべ)らむは、証(さう)候(さぶら)ふまじきにより」


[訳] むなしく(手ぶらで)帰って参りましたとしたら、行ったという証拠がございますまいから。








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