学研全訳古語辞典 |
いたずらなり 【徒らなり】
⇒いたづらなり
いたづら・なり 【徒らなり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
つまらない。むなしい。
出典古今集 春下
「花の色は移りにけりないたづらにわが身(み)世(よ)にふるながめせし間(ま)に」
[訳] ⇒はなのいろは…。
②
無駄だ。無意味だ。
出典徒然草 二三六
「上人(しやうにん)の感涙いたづらになりにけり」
[訳] 上人が感激のあまりに流した涙は無意味になってしまった。
③
手持ちぶさただ。ひまだ。
出典土佐日記 一・一八
「舟も出(い)ださで、いたづらなれば、ある人の詠める」
[訳] 舟も出さないでいて、手持ちぶさたなので、ある人が詠んだ歌。
④
何もない。空だ。
出典更級日記 富士川
「入り江のいたづらなる州(す)どもに」
[訳] 入り江の何もない州に。
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