学研全訳古語辞典 |
あそ・ぶ 【遊ぶ】
活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}
①
(詩歌を作ったり、音楽を演奏したり、歌舞をしたりして)楽しむ。
出典枕草子 御仏名のまたの日
「ひとわたりあそびて、琵琶(びは)弾きやみたる程に」
[訳] 一とおり音楽を楽しんで、琵琶を弾き終えたときに。
②
遊戯する。
出典伊勢物語 二三
「昔、田舎わたらひしける人の子ども、井のもとにいでてあそびけるを」
[訳] 昔、田舎で生計を立てていた人の子供たちが、井戸のところに出て遊戯をしていたが。
③
狩りをする。
出典古事記 雄略
「やすみしし(=枕詞(まくらことば))わが大君のあそばしし猪(しし)の」
[訳] わが大君が狩りをしなさっ(て射られ)た猪(いのしし)が。
④
自由に動き回る。気ままに歩きまわる。
出典伊勢物語 九
「白き鳥の、嘴(はし)と足と赤き、鴫(しぎ)のおおきさなる、水の上にあそびつつ魚(いを)を食ふ」
[訳] 白い鳥であって、くちばしと脚とが赤い、鴫くらいの大きさのある(鳥が)、水の表面で自由に泳ぎ回りながら魚をとって食う。
活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}
(楽器を)演奏する。奏でる。
出典伊勢物語 四五
「宵はあそびをりて、夜ふけてやや涼しき風吹きけり」
[訳] 宵のうちは音楽を演奏していて、夜がふけてしだいに涼しい風が吹いた。
あそぶのページへのリンク |