学研全訳古語辞典 |
い-し 【倚子】
室内用の腰掛けの一つ。四角、四脚で、背もたれがあり、左右に肘掛(ひじか)けがある。宮中で天皇や公卿(くぎよう)、中世には禅僧などが儀式のときに用いた。
いし 【石】
①
岩石のうち、比較的小さいもの。
②
宝石・碁石・墓石・石茶碗(いしちやわん)など、石でできているもの。
い・し 【美し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
よい。好ましい。みごとだ。
出典源平盛衰記 一七
「歌の声のよさよ、いしういしうとほめられたり」
[訳] 歌の声の良さよ、みごとだ、みごとだとおほめになった。◇「いしう」はウ音便。
②
殊勝だ。けなげだ。
出典平家物語 九・三草合戦
「いしう申させ給(たま)ふ田代殿かな」
[訳] 殊勝にも申された田代殿であるよ。
③
(味が)よい。うまい。
出典比丘貞 狂言
「いしい酒でおりゃる」
[訳] うまい酒でございます。◇「いしい」はイ音便。
語の歴史
③は、上に「お」を付けた「おいしい」が、室町時代に女房詞(ことば)として女性に多く用いられ、現代語の「おいしい」になった。
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