学研全訳古語辞典 |
いまいま-・し 【忌ま忌まし】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
慎むべきだ。けがれを避けたい。
出典源氏物語 桐壺
「ゆゆしき身に侍(はべ)れば、かくておはしますも、いまいましう、かたじけなく」
[訳] (喪中で)不吉な身でございますから、こうして(若宮が)ここにおいでになりますのも忌み慎むべきで、もったいないことと(存じます)。◇「いまいましう」はウ音便。
②
縁起が悪い。不吉だ。
出典平家物語 五・都遷
「聞くもいまいましう恐ろしかりし事どもなり」
[訳] それを聞くだけでも不吉で恐ろしかった事である。◇「いまいましう」はウ音便。
③
癪(しやく)にさわる。憎らしい。
出典義経記 七
「弁慶これを聞きていまいましくぞ思ひければ」
[訳] 弁慶はこれを聞いて憎らしく思ったので。
参考
「いまいまし」と「ゆゆし」の違い 「いまいまし」は不吉な対象を避けたいと感ずる気持ちを表し、類義語「ゆゆし」は神聖・不浄両様のものに対して、近付いてはならないと思う気持ちを表す。
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