学研全訳古語辞典 |
えきすいに…
分類俳句
「易水にねぶか流るる寒さかな」
出典蕪村句集 俳諧・蕪村(ぶそん)
[訳] 中国の易水という川を白いねぎが流れて行って、なんとも寒々とした景色である。そのねぎの白い色を見ていると、かつてこの易水のほとりで、白装束姿の荊軻(けいか)が詩を詠んだという、『史記』の故事が思い出されて、寒さとともに寂寥(せきりよう)感に襲われることだ。
鑑賞
荊軻は、秦(しん)の始皇帝を暗殺するため旅立つ折に、「風蕭々(せうせう)として易水寒く、壮士一たび去って復また還(かへ)らず」と歌ったという。「ねぶか」はねぎの別名。季語は「ねぶか・寒さ」で、季は冬。
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