学研全訳古語辞典 |
おい-らか・なり
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
おっとりしている。穏やかだ。
出典源氏物語 若菜上
「見返り給(たま)へる面持(おもも)ち・もてなしなど、おいらかにて」
[訳] 振り返りなさった表情や身のこなしなどは、おっとりしていて。
②
気楽だ。平静だ。
出典枕草子 殿などのおはしまさで後
「『おいらかにも』とて笑ひ給(たま)ふ」
[訳] (経房(つねふさ)は)「気楽な気持ちで」とお笑いになる。
③
〔「おいらかに」の形で〕率直に。いっそのこと。
出典竹取物語 貴公子たちの求婚
「おいらかに、『あたりよりだにな歩きそ』とやはのたまはぬ」
[訳] 率直に「付近でさえ歩き回るな」とどうしておっしゃらないのか。
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