学研全訳古語辞典 |
おう
①
おや。ああ。▽驚いたり、感動したりしたときに発する語。
出典今昔物語集 二八・四二
「頭(かしら)打ち破られぬと覚えければ、いと高くはなくて『おう』と叫びて」
[訳] 頭を打ち破られてしまうと思われたので、たいして大きな声ではなくて、「ああ」と叫んで。
②
はい。▽応答や承諾の意で発する語。
出典源氏物語 夢浮橋
「嬉(うれ)しきにも、涙の落つるを恥づかしと思ひて、『をを』と荒らかに聞こえゐたり」
[訳] (感動のあまり)うれしいことにつけても涙が落ちるのを恥ずかしいと思って、「はい」と荒々しく申し上げている。
③
おい。▽人に呼びかけるときに発する語。
出典蜻蛉日記 中
「『あふ、立ち退きて』など言ふめれば」
[訳] 「おい、(奥へ)立ち退いて(ください)」などと言っているようであるが。◆「をう」「をを」「をお」「あふ」「わう」などとも表記する。
おう 【生う・負う・追う】
⇒おふ
おう 【終う】
⇒をふ
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