学研全訳古語辞典 |
かぎりとて…
分類和歌
「限りとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり」
出典源氏物語 桐壺
[訳] 今を限りにお別れする悲しさにつけても、私が行きたいのは死出の旅路ではなく、生き長らえていたいのです。
鑑賞
源氏三歳の夏、母桐壺更衣(きりつぼのこうい)は病気にかかる。重態の更衣が里に退出するとき、涙ながらに見送る帝(みかど)に対して詠んだ別れの歌。衰弱しきった更衣は最後の力を振り絞って、帝に別れを告げたのであった。「いかまほしき」は「行きたい」と「生きたい」をかけている。「けり」は詠嘆の助動詞。
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