学研全訳古語辞典 |
かこつべき…
分類和歌
「かこつべきゆゑを知らねばおぼつかないかなる草のゆかりなるらむ」
出典源氏物語 若紫
[訳] あなたが恨みごとをおっしゃる理由を知らないので、気がかりです。私は、どんな草のゆかりなのでしょう。
鑑賞
源氏が若紫の書道の手本に書いて与えた歌をふまえている。その歌は、あなたは自分がひそかに慕う紫(=藤壺、源氏の義母)のゆかり(=姪(めい))であり、そのために心もひかれ、また恨みごとも出るという内容で、何も事情を知らない若紫が「自分はどういう草のゆかりなのか」と素直に尋ねている。「おぼつかな」は形容詞「おぼつかなし」の語幹。
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