学研全訳古語辞典 |
さ・む 【冷む】
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
熱が去る。熱がひく。さめる。
出典源氏物語 手習
「ぬるみなどし給(たま)ひつる事はさめ給ひて」
[訳] 発熱なさっていたのも、熱がひきなさって。
②
関心が薄れる。興ざめする。
出典源氏物語 夕顔
「むつかりて、もののぞきの心もさめぬめり」
[訳] 文句を言って、のぞき見も興ざめしてしまったようだ。
さ・む 【覚む・醒む】
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
眠りや夢・酔いなどからさめる。
出典伊勢物語 六九
「夢か現(うつつ)か寝てかさめてか」
[訳] あれは夢か実際にあったことか、寝ていたときのことか、さめていたときのことか。
②
迷いや物思いからさめる。平静になる。
出典源氏物語 朝顔
「うき世の嘆きみなさめぬる心地なむ」
[訳] つらいこの世の悲しみもみなさめてしまったような気持ちがする。
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