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さへの意味

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学研全訳古語辞典

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さへ

副助詞

《接続》体言、活用語の連体形、助詞などに付く。


〔添加〕…までも。そのうえ…まで。


出典源氏物語 桐壺


「世になく清らなる玉の男御子(をのこみこ)さへ生まれ給(たま)ひぬ」


[訳] (帝(みかど)と更衣とが深く愛し合っているのに加えて)この世にまたとなく気品があって美しい玉のような男の御子までもお生まれになった。


〔ある事物・状態を、程度の軽いものまたは極端なものとして例示し、より程度の重いものや一般的なもののあることを類推させ、強調する〕…でさえ。…だって。


出典曾我物語 四


「まさしき兄弟さへ似たるは少なし」


[訳] 本当の兄弟だって似ているものは少ない。


〔最小限の限定〕…だけでも。…なりと。▽仮定条件の句に用いる。


出典新古今集 雑下


「命さへあらば見つべき身の果てを偲(しの)ばむ人のなきぞ悲しき」


[訳] せめて(あの人の)命だけでもあったなら、きっと見届けたであろうはずの私の最期を、(あの人がいない今となっては、ほかに)思い起こすような人がいないのが悲しいことよ。


参考

(1)「添(そ)へ」の変化したもので、「添加」を表すのが、本来の用法。(2)の意味では「すら」「だに」と共通するが、「すら」は上代、「だに」は中古に多く用いられ、中世以降は「さへ」が用いられるようになる。








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