学研全訳古語辞典 |
-さ・ぶ
〔名詞に付いて〕…のようだ。…のようになる。▽上二段動詞をつくり、そのものらしく振る舞う、そのものらしいようすであるの意を表す。「神さぶ」「翁(おきな)さぶ」
さ・ぶ 【荒ぶ・寂ぶ】
活用{び/び/ぶ/ぶる/ぶれ/びよ}
①
荒れた気持ちになる。
出典万葉集 五七二
「朝(あした)夕べにさびつつ居(を)らむ」
[訳] 朝夕絶望的な気持ちになって過ごすのだろうか。
②
(光や色が)弱くなる。あせる。
出典新古今集 秋下
「浅茅(あさぢ)の月のいとどさびゆく」
[訳] 浅茅に照る月の光もいよいよ弱まっていく。
③
(古びて)趣が出る。
出典平家物語 灌頂・大原入
「岩に苔(こけ)むしてさびたる所なりければ」
[訳] 岩にこけがむして趣が出ている所であったので。
④
さびる。
出典源氏物語 朝顔
「錠(ぢやう)のいといたくさびにければ」
[訳] 錠がたいへんひどくさびていたので。◇「錆ぶ」とも書く。
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