学研全訳古語辞典 |
さね
①
〔下に打消の語を伴って〕決して。
出典万葉集 三七五〇
「吾(あ)がごとく君に恋ふらむ人はさねあらじ」
[訳] 私のように、あなたに恋するであろう人は決していないだろう。
②
間違いなく。必ず。
出典源氏物語 薄雲
「行きて見て明日もさね来(こ)む」
[訳] (あちらへ)行って会って、明日には間違いなく帰って来よう。
さ-ね
分類連語
…なさってほしい。
出典万葉集 一
「この丘に菜摘ます児(こ)家聞かな告(の)らさね」
[訳] ⇒こもよ…。◆上代語。
なりたち
尊敬の助動詞「す」の未然形+終助詞「ね」
さ-ね 【さ寝】
寝ること。特に、男女が共寝をすること。◆「さ」は接頭語。
さね 【札】
鉄または牛の撓(いた)め革(=たたき固めた革)で作った、長方形の小板。幾枚もうろこ状に重ね、革や紐(ひも)でつづって甲冑(かつちゆう)を作る。
さね 【核・実】
①
果実の種。
②
根本のもの。本体。
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