学研全訳古語辞典 |
あま-さへ 【剰へ】
そればかりか。
出典落窪物語 四
「あまさへ、憂き恥の限りこそ見せつれ」
[訳] そればかりか、つらい恥のすべてを見せてしまった。◆「あまっさへ」の促音「っ」の表記されない形。
あまっ-さへ 【剰へ】
①
そればかりか。
出典平家物語 一・鱸
「あまっさへ丞相(しようじやう)の位にいたる」
[訳] そればかりか大臣の位に至る。
②
事もあろうに。
出典平家物語 一一・文之沙汰
「あまっさへ封をも解かず」
[訳] 事もあろうに封も解かずに。
参考
「あまりさへ」の促音便。現代語では音便の意識がなくなって「あまつさえ」となったが、古文では「アマッサエ」と促音で読む。
あまり-さへ 【剰へ】
そればかりか。
出典方丈記
「あまりさへ疫癘(えきれい)うち添ひて」
[訳] そればかりか伝染病まで加わって。
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