学研全訳古語辞典 |
さるをきくひと…
分類俳句
「猿を聞く人捨て子に秋の風いかに」
出典野ざらし 俳文・芭蕉(ばせう)
[訳] 捨て子が悲しげな声で泣いている。古来、猿の鳴き声を聞いて親子の情愛を感じ、断腸の思いにかられた中国の詩人たちよ、この捨て子に吹く秋の風をどう受けとめたらよいのだろうか。
鑑賞
富士川のほとりで、三歳くらいの捨て子が泣いているようすを見ての句。中国の詩人たちは、猿の鳴き声を聞いて涙する詩を多く作った。中国の故事には、捕らえられた子猿を追いかけた母猿が、悲しみのあまり腸を断って死んだ話もある。季語は「秋の風」で、季は秋。
さるをきくひとのページへのリンク |