学研全訳古語辞典 |
さり-がた・し
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
(一)
【去り難し】別れがたい。捨てさりにくい。
出典源氏物語 夕顔
「背きぬる世のさりがたきやうに」
[訳] そむき捨てたこの世が捨てさりにくいように。
(二)
【避り難し】
①
避けにくい。逃れがたい。
出典源氏物語 夢浮橋
「頼もしげなき身一つをよすがに思(おぼ)したるが、さりがたき絆(ほだし)に覚え侍(はべ)りて」
[訳] 頼りがいもない(この私の)身ひとつを頼りどころにお思いになっているのが、世を逃れがたい絆(きずな)に思われまして。
②
辞退しにくい。断りにくい。
出典奥の細道 草加
「あるはさりがたき餞(はなむけ)などしたるは」
[訳] あるいは辞退しにくい餞別(せんべつ)などをくれたのは。
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