学研全訳古語辞典 |
さ-・り
分類連語
まさに…である。
出典万葉集 四三九三
「大君(おほきみ)の命(みこと)にされば父母(ちちはは)を斎瓮(いはひへ)と置きて参(ま)ゐて来にしを」
[訳] まさに大君の仰せであるので、父母を神聖な瓶といっしょに置いて来たけれども。
なりたち
副助詞「し」+動詞「あり」からなる「しあり」が変化した形。
さ・り 【然り】
{語幹〈さ〉}
①
そうだ。そうである。そのようである。
出典更級日記 大納言殿の姫君
「かしがましく鳴きののしれども、なほさるにてこそはと思ひてあるに」
[訳] うるさく鳴き騒ぐけれども、やはり(猫は)そうであるのであろう(=飼い主がそばにいないと鳴くものなのだろう)と思っていると。
②
適切である。そのことにふさわしい。
出典更級日記 大納言殿の姫君
「えいひよらぬに、さるべきたよりを尋ねて、七月(ふみづき)七日(なぬか)いひやる」
[訳] (所有者に)とても頼め込めないでいたが、ふさわしそうな縁故を見つけ出し、(その人を通して)七月七日に言い送る。◆副詞「さ」にラ変動詞「あり」の付いた「さあり」の変化した語。
さり 【舎利】
「しゃり」に同じ。
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