学研全訳古語辞典 |
すが・る 【縋る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
頼みとして取り付く。頼りにする。
出典野ざらし 俳文・芭蕉
「昔の人の杖(つゑ)にすがりて」
[訳] 昔の人の(言葉を)杖のように頼りにして。
すがる 【蜾蠃】
①
じがばちの古名。腹部がくびれていることから、女性の細腰にたとえる。
出典万葉集 三七九一
「飛び翔(か)けるすがるのごとき腰細に」
[訳] 飛びまわるじがばちのような細い腰に。
②
鹿(しか)の別名。
出典古今集 離別
「すがる鳴く秋の萩原(はぎはら)」
[訳] 鹿が鳴く秋の萩原に。
参考
細腰は、万葉時代の女性の容姿の美しさの一つの基準である。『古今和歌集』以降は、もっぱら「鹿」の意で用いられるが、これも鹿の腰が細いことからの呼び方である。
す-が・る 【酸がる】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
すっぱいと思う。すっぱがる。
出典枕草子 にげなきもの
「歯もなき女の梅(むめ)食ひてすがりたる」
[訳] 歯もなくなった(老)女が梅を食ってすっぱがっている(の)。◆「がる」は接尾語。
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