学研全訳古語辞典 |
た-・なり
分類連語
①
〔「なり」が推定の意の場合〕…ているようだ。
出典土佐日記 一二・二五
「守(かみ)の館(たち)より呼びに文(ふみ)持て来(き)たなり」
[訳] (新任の)国司の官舎から(私を)呼びに手紙を持って来ているようだ。
②
〔「なり」が伝聞の意の場合〕…ていると聞いている。…たそうだ。
出典源氏物語 若紫
「この寺にありし源氏の君こそ、おはしたなれ」
[訳] ここのお寺にい(らっしゃっ)た源氏の君が、おいでになっているそうだね。
なりたち
完了・存続の助動詞「たり」の連体形+推定・伝聞の助動詞「なり」からなる「たるなり」の、撥(はつ)音便「たんなり」の「ん」が表記されない形。
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